お花売り場で 
髪を巻物で覆ったどこかの国の若いご婦人に出会いました。
華奢で綺麗で 優しく強い目でした。
何度か手に取ってはそっと戻し
色を選ばれていました。
わたしは迷っているふりをしてみとれていました。
長い時間の後 ご婦人は深い朱色と情熱的な濃い黄色の
バラのつぼみを1本づつ手に取りました。
ドキドキするくらい似合っていらして
飾られるお部屋まで思い浮かべてしまいました。
とても真似をしたかったけれど
何故か薄いピンク色にしました。

毎年咲いていたベランダのバラは
犬ののりちゃんと同じ
15年間一緒に暮らしているのですが
彼女が亡くなった去年はお花をひとつも咲かせませんでした。