公園の椅子の箱のおはなし。
まるで寄り道の言い訳のようにゴミを置きに行った帰り道に 
椅子の傍に行きました。
捨て猫や捨て犬が入っている様子はなくて
安心しました。
もしもの時には 抱きしめることも
一緒に暮らすことも少し考えていたけれど。
してはいけないことをする子供のような気持ちで
ドキドキしながらのぞきました。
葡萄でした。
最近 葡萄ジュースばかり飲んでいるから
もしかしてわたしはまだ眠っていて
これは夢かもしれないわと自分に言い聞かせました。
どうしていいのかわかりませんでした。
痛んでしまわないうちに
交番に持っていくべきかしらと考えたりもしました。
そっと触るとまだ新鮮な硬さがありました。
夜 お酒に酔ったひとの忘れ物かしら。
それとも昨日の虫ちゃんたちの恩返しかしら。
それだったら申し訳ないわ。
でもそれならきっと玄関の前ではないかしら。
こんな恩返しを受けるようなことではないからちがうし。
いくつか空想しながら部屋へ戻りました。